ゆきにゃんのスポーツネット情報です。
すでにニュースとしては遅すぎですが、要望があったので川崎祭について軽くまとめさせていただきますね。
さて。その昔、ヤクルトスワローズに川崎憲次郎という投手がいました。
彼は、98年には最多勝を挙げた実力者で、巨人戦では現役最多の勝利数を挙げており、巨人キラーの異名をもっていました。
そんな川崎がFA宣言で移籍を決意したのは2000年末。
忘れ去られていますが、実はメジャーリーグのレッドソックスも獲得に乗り出していました。
しかも、2年契約で総額660万ドル(約7億4000万円)という破格の条件。
獲らなくてよかったね、レッドソックス。
家族を重視してメジャーの夢を捨てて、打倒巨人を誓い、当時は闘将星野仙一率いた中日への移籍を決意した川崎。
あのとき、メジャーに移籍していれば、こんな悲劇はおこらなかっただろうに。
ともかく。多くの期待を背負って中日に入団した川崎憲次郎。
年棒はメジャーよりは劣る3年6億円の条件ですが、破格の条件といえます。
中日も、まさか6億をドブにすてることになるとは思っていなかっただろうに。
ちなみに中日での川崎憲次郎の背番号は20。
星野仙一が現役時代つけていたものと同じで、中日のエースナンバーでした。
星野さんは、それほどまでに川崎に期待していたのです。
そして、川崎はキャンプ中、順調に調整していたのですが、オープン戦で右肩を痛めてしまいます。
最初は軽傷と思われていたのですが、いつまでたっても治らず。
肩痛からリハビリを積んで5月12日のサーパス戦で復帰するも、登板後に痛みが再発し、移籍1年目の公式戦は二軍戦1試合にとどまりました。
そうこうしてるうちに、打倒巨人を期待して自らのエースナンバーを背負わせた星野監督は阪神の監督に就任。
ちなみに星野監督は、川崎の獲得で厄払いできたらしく、阪神にうつってからの補強は、片岡が一年目は悲惨だったものの、結果的には絵に描いたような成功をおさめるのは後の話。
結局、貧乏クジを掴まされたのは中日球団でした。
ともかく、2年目も2軍で3試合を投げただけで、今年1月22日の契約更改中には西川球団社長が“乱入”し、「投げてくれ、頼む」と懇願されたりで。
ちなみに、中日の応援歌の「燃えよドラゴンズ」 では、故障をして復活をかけていた今中を「きっと今中よみがえれ」と歌っていた部分があったのですが、今中が結局引退した後は、そのまま川崎にすげかえられ、「きっと川崎よみがえれ」に変更されていました。
きっとよみがえれったって、あんたそもそも投げてないやん。
正直、中日の大エース今中の復活を歌った部分を、ほとんど詐欺の川崎に置きかえるのは失礼だと思うのですが。
そんな、もはや誰からも注目されなかった川崎憲次郎ですが、彼を注目させようとした人がいました。
オールスターファン投票がはじまり、2ちゃんねるでも多くの関連スレッドが立っている中で、一際異彩をはなったスレッド。
「川崎憲次郎をオールスター投票で1位にしよう!」
2年間はたらいていない川崎を1位にしてしまおうという、いかにも2ちゃんねるらしいスレッド。
ある意味、全球団のファンの支持を得ることが出来たのが大きかったのかもしれません。
ともかく、おもしろがった2ちゃんねらーは川詐欺…もとい、川崎に投票。
ちなみに、この時点ではほとんど誰も1位になるとは思っていませんでした。
「去年もこーいうのあったが、2ちゃんだけでは絶対無理だと最後に切れるヤツらがいただろう」
こんな指摘もありましたが、元々は1位になるなんて誰も思っておらず、単に川崎の名前がちょっと出てくるのが嬉しいだけみたいな、軽いイタズラのようなものでした。そのハズでした。
しかし、第1回投票である程度の票数を得たことをきっかけに祭は盛り上がり始めます。
川崎祭のコピペがそこら中にはりだされ、祭はヒートアップ。
毎日のように順位を上げる川崎にスレ住人は狂気。
そもそも、オールスター投票のシステムが間違っていました。
1人につき1日5票まで。
なんで5票なのかと小1時間。
6票目以降はノーカウントになりますが、名前を変えれば有効票。
家族の名前を総動員すれば、4人家族なら20票だ!!
…やっぱりシステムがまずすぎました。
そして、このシステムはすなわち、架空の名前を使えば無限に投票できるというシステム。
こーいうのが大好きな2ちゃんねらー。
田代祭のときの「田代砲」のように、クリックするだけで票が入る「川崎砲」まで作られてしまいます。
結局、無効になるかもしれないから確実な方法でやろうという、変なところだけはマジメなおかげで、未使用のまま終わりましたが。
ともかく。一応、文句がないように実在の人間だけでやろうという多くのスレ住民の意に反し、1人で1000票くらい投票する既知外まで出現し、川崎祭は最高潮。
川上や上原など、並み居るエース投手をごぼう抜きし、頭上には阪神のエース(一応)の井川を残すのみとなってしまいます。
慌てたオールスター機構側。
良識のある投票を、などと呼びかけますが、そんな呼びかけに応じるようなら最初からこんなことしません。
パスワード制などを導入しますが、こんなことだけは百戦錬磨の2ちゃんねらーにかなうはずもなく。
とうとう井川を追い越し、川崎がトップの座に。
ちなみに川崎祭の間、当の川崎はというと…
最初のうちはこんなことと知らずに応援とうけとめ、復調して2軍戦で投げはじめ結果をだしはじめます。
オールスターに向けての調整かとも思われましたが、さすがにそう簡単に1軍に上がって投げられるなら、2年間タダ飯くってるはずもなく。
オールスターまでに1軍で投げられそうもなかった川崎、もし1位になっても辞退することを表明。
結局、川崎祭はそのまま川崎が1位という異常な結果になって終了。
当初は誰も1位になると思っていませんでしたが、本当に1位になってしまうという、2ちゃんねらーのアホなことへの情熱を見せつける結果となったのでした。
ちなみに、川崎の影に隠れていますが、2ちゃんねらーは他にも、1塁ムーアや中村ノリ不選運動やDH松坂などの投票も行い、特に一塁ムーアは大きな話題となり、中村不選運動は成功をおさめたりと、相変わらずのお騒がせっぷりでした。
まぁ、中村の場合は、普通に考えて小笠原が適任だったことも大きいのですが。
ともかく。相変わらずお騒がせの2ちゃんねるを通じた今回の事件。
正直なところ、さすがに川崎が少し不憫だったり、最初の想像通り力及ばず5位くらいに終わった方が良かった気もしないでもないですが、ある意味必然のものだったのかもしれません。
オールスターの投票制度そのものに問題があったわけで、いつかはこんなことが起こったんじゃないかとも思います。
オールスター側で票数を多く見せたいがために、1日5票という意味不明な設定にしてしまったネット投票。
おかげで、票数のインフレで今岡がイチローの最多得票を余裕で追いぬいたりしちゃいました。
今岡の人気はいいのですが、投票制度が違うというか、投票が増えてあたりまえの制度なので、過去の最多得票を抜いてもありがたみにかけちゃいます。
どっちにしろこの制度は早々に改善すべきですし、機構側の甘い運営が目立ったカンジだったので、ある意味いいクスリだったような気も。
普通は1日1票にするべきでしょうに。
そんなわけで、川崎祭はネット投票の問題点と機構側の甘さを浮き彫りにして終末したのでした。
ちなみに、川崎は帳尻あわせのために、後半戦での復帰を睨んでるようです。
はたして、復帰できずに解雇されるのか、復帰しても解雇されるのか、大幅減俸でクビはつながるのか…川崎投手のオフの動向にも注目したいところです。